人が亡くなると必然的に発生するのが葬儀費用。
しかし葬儀費用って高いので少しでも安くならないものかと考える人は少なくないはずです。
そんな時にふと思うのが確定申告。
確定申告は個人個人の年間の税金を確定させて申請をすることで、時には余分にとられた税金を取り戻すこともできます。
今回はそこで葬儀費用は確定申告できるのかということと、また相続税との関係なども見ていきます。
葬式費用って確定申告できるの?所得税はどうなる?
親、配偶者、兄弟などが亡くなった時には葬儀費用はかなりかかりますよね。
しかし葬儀費用はそうそうカットできるものではありませんし、何といっても必要な経費。
税金の控除を受けられるのではないか?
そう思う人も少なくないかもしれません。
実際はどうなのでしょうか?
実は確定申告で所得税から控除をするというのは出来ないようになっています。
しかしながら亡くなった場合も、ご遺族が確定申告を行う必要がありますから注意しましょう。
ちなみにですが亡くなった方の確定申告に関しては「準確定申告」と言います。
相続開始から4ヶ月以内に済ませなければならないという決まりがあるので気をつけてください。
相続税からなら控除が可能?
しかしながら多額の葬儀費用をどうにか減らせないものなのでしょうか?
実は確定申告は出来ないものの、相続税を減らすことができる仕組みになっています。
それは葬式を行うのは社会通念上当然で遺産から負担されるべきであろうという考えから来ています。
ちなみに相続税とは相続や遺言で遺産を受け継ぐ際、遺産総額の金額が大きいとかかってくるお金のことを指して言います。
なぜ遺産から税金がとられるのかというと、特定の家系に富が集中してしまうのを防ぐためだとされています
相続税の課税対象者が増えたので葬儀費用は無視できない
ただ、ちょっと前に相続税対象額が引き下げられ、多くの人が相続税支払い対象になったので遺産から葬儀費用が引かれるとなれば無視はできませんよね。
ちなみに相続税の計算方法は次の通り
基礎控除額=3,000万円+(法定相続人の数×600万円)
たとえば親の財産が土地家屋や預貯金、株式など、合計5000万円あって、これを2人の子供が相続する場合、5000万円から基礎控除額3000万円と法定相続人2×600=1200万円を差し引き、800万円が課税対象になるわけです。
仮に葬儀費用が300万円かかったとして800万円から300万円差し引いた金額500万円が課税対象になるわけです。
相続税の軽減を考えると葬儀費用を正しく整理しておくことの重要性がお分かりいただけたと思います。
控除の対象とそうでないものの違い
では葬儀費用の全てが控除の対象になるわけではありません。
法令では「被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と認められるもの」としています。
具体的には相続財産から差し引ける項目として11項目が挙げられています。
まず医師の死亡診断書、そして通夜や告別式にかかった費用、さらには葬儀場までの交通費、葬儀時の飲食代、遺体の搬送費用に、火葬料、埋葬料などもそうです。
さらにお手伝いさんへの心づけ、運転手さんへのお車代に加え、お布施、読経料、戒名料、納骨費用なども控除できます。
意外と多いですよね。
ちなみにですが、この11項目の費用は領収書などがなくても支払いのメモなどで控除は可能です。
お布施なんかはそもそも領収書が出ませんよね。
費用負担の日付と対象者、また名目などをしっかり書き記しておくと良いでしょう
そして逆に相続税から控除できないような項目もあるので覚えておきましょう。
例えば香典返しや生花、お供えに仏壇や墓地の購入費用、法事の費用などもそうです。
また死体解剖など医学上、また裁判上の特別の処置に要した費用も該当しません。
また相続する人が制限納税義務者だったり特定受遺者の場合にも控除を使えないことがあるようなのでそこら辺も要注意です。
まとめ
いかがでしたか?
葬儀の費用は大きい単位のものから小さなものまで様々で、結果的に合わせるとかなりの額になるのがほとんどです。
確定申告は無理でも相続税の申請で少しでも控除が受けられるのであればありがたいものですよね。
払わなくていいものまで払わずに済むように、しっかりといざという時のためにこういった知識は持っておきたいですね。
ちなみにですが、相続税からの控除は申請書を10ヶ月以内に提出する決まりになっています。
この期間を過ぎてしまえばせっかく受けられる控除も受けられなくなるので気をつけましょうね。