日本語にはさまざまなことわざや言い回しがありますよね。
日本人でもあまり由来などは知らずに使っている場合も多いものです。
その一つが「目から鱗」という言葉。
みなさん普段何気なく使ったり、またテレビなんかでも聞いたことはあるでしょう。
結構ポピュラーな表現の一つかと思います。
ただ実際使うタイミングはなんとなくわかっていてもちゃんと意味や由来を言えない人が大半ではないでしょうか。
そこで今回はこの「目から鱗」という言葉をピックアップして詳しく見ていきましょう。
「目から鱗」ってどういう意味があるの?類語は?
まず目から鱗という言葉は何かをキッカケに急に物事が理解できることを意味しています。
正しくは「目から鱗が落ちる」で、それを略して「目から鱗」という言葉が使われるようになりました。
みなさん正しく使えていましたか?
ちなみに類語としては、気づく、ハッとする、悟るなどがあるようですね。
今まで何となくしか理解していなかったことが、ある日突然誰かの解説で腑に落ちたように理解できたときに、「目から鱗」と表現します。
「目から鱗」の正しい使い方は?
では次に正しい使い方を見ていきましょう。
目から鱗という言葉は驚きの発見や事実を知った際に使われる表現ですから自分が知らなかったこと、ものに対して用いられるというのが基本です。
またその内容は基本的には、すごい!面白い!などというような興味を持ったり、良い印象の物に対して使われます。
例えば「この本を初めて読んだときは目から鱗だったよ」といった風な表現の場合に、その本が大変素晴らしかったのだということが伺えます。
また「目から鱗の節約術を特集します」となると、きっとあまり知られていない節約術を知れるはずだ、見てみよう!と、視聴者の心をつかむことができますね。
ちなみに目から鱗という言葉もマイナスの意味を持つことがないわけではありません。
例えば皮肉を込めて使う人も稀にいます。
覚えておきましょう。
「目から鱗」という言葉の由来って?
ではこの「目から鱗」という言葉ができた由来って何なのでしょうか?
そもそも「うろこ」が出てくる自体が謎ですよね。
実はこれには「聖書」が関わっています。
意外ですよね。
新約聖書の使徒行伝第9章にサウロという人物が出てくるのですが、彼のエピソードこそ「目から鱗」の語源になっているとされています。
どのような話かというとこのサウロという人物はパウロと名乗ってのちにキリストの伝道師となります。
しかしこのパウロ、実はキリストの迫害者。
本当は熱心なユダヤ教信者だったんですね。
キリスト教信者を死刑にしたりもしていたといいます。
天からキリストの声が
そんな彼がダマスコという街に向かう途中で天からの光に気づきます。
そして「サウロ、サウロ、なぜ私を迫害するのか」という声を聞くのです。
この声の主はキリスト。
そしてサウロは目が見えない状態になってしまいます。
三日間食事も取れないまま…
そんなサウロの元にアナニヤと言う名の神の示しを受けたクリスチャンがやってきてサウロに手を当てたのです。
するとどうでしょう。
驚くことに目から鱗のようなものが落ち、目が見えるようになったのです。
それからと言うものサウロは心を入れ替えました。
これがまさに「目から鱗」の由来になったエピソードです。
何かの体験で自分の意見が変わる、また自分の間違いに気づくというような意味も込められています。
まとめ
いかがでしたか?
「目から鱗」という言葉は日常で使いやすい言葉ですよね。
ただちょっとニュアンスの違う使い方をしてしまうと恥ずかしい思いをするのでしっかり使い方を覚えておきましょう。
日本語には他にも由来を知るともっと意味が理解できる言葉がたくさんあります。
もしも、
「この言葉ってなんでこういう漢字を使うんだろう?」
「どうしてこんな言い回しなの?」
というふうな疑問を普段何気なく感じたら、調べてみる!というような習慣をつけておくとちょっと面白そうですね。