日本語の中には聞いたことも見たこともないような言葉がたくさんありますよね。
あるいは聞いたことはあっても意味はよくわからないものも沢山あります。
特にテレビなんかを見ていると曖昧な言葉って多く出てくるはずです。
その一つが「頭取」という言葉。
よく聞かれることはではありますが、実際なんのことなのかはわからない人も多いかもしれませんね。
そこで今回はその意味と由来などを紹介します。
頭取の読み方や意味とは?
頭取はまず「とうどり」と読みます。
頭取にはまずいくつかの意味があります。
まず一つ目が頭だつ者という意味。
音頭をとる人や、集団のかしらなども指して言います。
また銀行の首席の取締役なんかの意味もあります。
他には雅楽で合奏の時に各楽器の首席演奏者のことも頭取と呼んだり、能・歌舞伎では翁や三番叟を上演する際の小鼓方の中央に座る人や歌舞伎劇場で楽屋の取り締まりを行う人を指していう場合もあります。
さらには相撲においては力士をまとめて取り締まる人なんかがそれにあたります。
このようにたった一つの言葉で沢山の意味があるので使う時には注意が必要な言葉でもあります。
この言葉は江戸時代前期から使われ始めたと言い、歴史が長い言葉と言えます。
どうして社長ではなく頭取なのか?由来は?
前項で挙げた意味の中でも良く使われるのが銀行に関するもの。
いわゆる銀行のトップを示す意味で、一般企業で言うところの社長に当たります。
しかし銀行では社長ではなく頭取が普通。
皆さん半沢直樹というドラマを知っているでしょうか。
視聴率も高く人気の高いドラマの一つでしたよね。
このドラマにも頭取という言葉が出てきていました。
普段聞きなれない言葉なのでどういう意味だろう?と思った人ももしかするといたかもしれません。
銀行といえども資本主義の世界では株式会社とも捉えることができるそうですから「社長」と呼ぶのが普通に感じます。
しかし銀行のトップは頭取。
銀行だけ呼び名が違うのはちょっと疑問ですよね。
どうしてなのでしょう。
昔は銀行以外の会社のトップは頭取と呼ばれていた
そもそも頭取という言葉は昔は実は銀行に限らず色々な会社で使われていました。
しかし明治時代の後半あたりから社長という呼び方が加わります。
ただ銀行は経済の中心であり伝統を重んじる業界。
他の業界とは違って頭取という呼び方を貫いてきたわけです。
ちなみに銀行の代表者全てを頭取と呼んでいるわけではなく、都市銀行や地方銀行に限ります。
それ以外の銀行や金融持株会社は社長と名乗るのが一般的です。
頭取も社長も会社で1番地位があるという意味を指しどちらが偉いということはありません。
そしてこの頭取という言葉は俗語で法律用語ではないので覚えておきましょう。
社長もそうです。
法律用語ではこれは「代表取締役」と呼びます。
稀に社長であっても代表取締役ではない場合もあるんだそうですよ。
すべての銀行のトップが頭取と呼ばれているわけではない
これまでの説明から察すれば「銀行」と名の付く企業のトップは頭取と呼ぶように感じますが、実はそうではなく「銀行」と名のつくところでも「社長」と呼んでいるところもあります。
それが「信託銀行」や「ネット銀行」等、都市銀行、地方銀行、第二地方銀行の以外の銀行の多くは「社長」と呼んでいるそうです。
他には信用金庫は「理事長」、日本銀行に至っては「総裁」と呼ばれています。
報道でもよく目にする日銀の黒田総裁がそうですよね。
余談ですが、日本銀行も株式上場しているのをご存知ですか?
日本銀行はJASDAQに上場して日々値動きしています。
なので私たちも日銀株を購入することができるんですよ。
ただし利回りが低くあまりメリットはありませんが・・・
頭取ってどうしたらなれるの?
頭取を目指すには銀行にまず就職することが基本です。
ただ銀行は学歴重視の社会とも言われており、東大や慶應義塾、早稲田を始め誰でもわかる有名校を出た人を圧倒的に採用する傾向があると言われています。
しかし銀行のレベルによってこれも異なるようですね。
また学歴以外には資格も重要で、宅建や証券外務員、簿記などに資格があればこれも優遇されるポイントとなります。
覚えておきましょう。
まとめ
日本語の中にはなかなか使う場面もなく意味が思いつかないようなものもたくさんあります。
しかし殆どが由来や意味があり、興味深いですよね。
調べてみると知らなかった業界のルールなども知れます。
銀行は特に色々と他の一般企業とは違うところが多い業界といえます。
これからは、銀行を舞台にしたドラマでもよく今回挙げた頭取という言葉が出てきますから、チェックしてみてください。
意味がわかるとよりストーリーも理解でき面白いですよ。